緊急事態になる前に。未来を見据える重要性
前回、つば九郎の訃報に触れて感じたことを書きましたが、もう一つ、強く思ったことがあります。それは
「未来を見据えて備えることの大切さ」
です。
つば九郎はマスコットでありながら、文字でさまざまなメッセージを発信し、多くのファンを魅了してきました。言わば「個性」を持ったマスコットです。
そして、その発信内容や振る舞いのユニークさは、多くの方に「替えがきかない」と感じさせるほど、担当スタッフの方の個性や機転に支えられていました。
それは、30年を超える担当スタッフの方の努力のたまもので、ものすごく称えられるべきことだと思います。
でも、だからこそ、今回の訃報で「もう会えない」と、多くの方が大きな喪失感に包まれているのでしょう。
この記事を書いている時点で球団は、
「つば九郎はしばらくお休みする」としか発表していません。
続けるのか、やめるのかも分かりません。
しかし、一人のスタッフだけで支えてきたのであれば、いつかは支えられなくなる日が来るのは明白です。その未来を見据えて、ストーリーを考え、時間をかけてファンに受け入れてもらう準備はできるのではないでしょうか。
これは、優先順位で考えると 「緊急」ではないけど「重要」なことです。

そして、「重要」なことは、放っておくと「緊急」になってしまうのです。
そう、今回のように。
日本人は目の前の課題を解決するのは得意ですが、まだ起こっていない問題を考えるのは苦手かもしれません。
「今、問題になってないから大丈夫」
「今、うまくいってるから心配ない」
そう考えているうちに、どんどん問題は大きくなり 気が付いた時には「緊急事態」になり、慌てて対応しなければならない事態になるのです。
発表していないだけで 球団はしっかり考えていたかもしれません。
今回の担当スタッフの方の逝去は、かなり突然のことだったので
用意していたシナリオが活かせなかったのかもしれません。
でも、このような「緊急事態」になる前に何か備えていれば、つば九郎にも、担当スタッフの方にも、違う未来があったのではないかと思うと、残念でなりません。
「重要」なことに備えるのは、時に「考えたくない未来」を見据える必要があります。そして、私たちは長い目で見ることが得意ではありません。
だから先送りしたくなってしまうんですよね。
今が続くことを願ってしまうんですよね。
でも、先送りすればするほど、それは「緊急性」を帯び、「対応の難しさ」も増して、 私たちに迫ってきます。
早く向き合えば向き合うほど問題の壁は低く、対策の選択肢も多いのです。
一人で向き合うのが難しいと感じる時は 周りを頼って向き合いましょう。
今日の質問
「あなたが、“今から向き合うべき”大切なことは何ですか?」
ヨーコ
インストラクター
小野 陽子(おの ようこ)